2010年8月6日金曜日

大学の数学(確率論)

今回は確率論に関する専門書の紹介です。

確率論は高校までの確率論とは違って、かなり難しいと感じる人がいるかもしれません。実際に、何かの確率を求めるようなことはほとんどなく、「サイコロを振ると、どうして1が出る確率が6分の1になるか」というようなことを考えて、定理などの証明がほとんどで、文字ばかりでてきます。

それで面白くないという人もいますが、高校までにはなかった厳密性もあり、さらに確率論が色々な分野とつながっているということも学べるので、とても面白い科目だと思います。

以下はおすすめの本です。



測度論の知識がないとちょっとわかりにくいかもしれませんが、測度論を勉強する意味や確率論が他の分野とつながっているということを知るにはよい本だと思います。確率論を勉強する際に、大数の法則(サイコロを何回もふると出る目がそれぞれ6分の1に近づく)と中心極限定理(サイコロの平均に関する定理)という大事な法則と定理があり、ほとんどの専門書に載っていますが、大偏差原理(偏っているところを調べるもの)について書いていある日本の書籍はこの本くらいでしょう(あとは、最近見つけた『統計力学』と『マルコフ過程』にもちょっと載っていました。)。また、お見合いをする際に、どこで結婚を決めたらいいのかとか、モンティ・ホール問題についても厳密に議論されています。この問題の解答としては、「ドアを絶対に変更した方がよい」という人が多くいますが、上の本にも書かれある通り、前提条件によっては変更しても同じになるケースがあります(まあ、せいぜい同じ確率になるくらいなので、変更してもいいのですが、念のために。)

きちんと勉強したい人にススめたいのは、以前に紹介した『マルチンゲールによる確率論』と以下の本です。







また、計算をしっかりとしたい人にとっては以下の本がいいようです。アクチュアリーの試験を受ける人は結構やっているみたいでした。藤田先生の本はとくに、とても丁寧に計算過程が書かれてあります。







ファイナンスに関係する本として以下の本もおススメできます。



大学で確率論を勉強するとなると、抽象論で終わりがちでなかなか計算する機会がありません。上でおススメした本は厳密に定義して定理を証明する類の本ではありませんが、とりあえず計算はできるようになりたい人にとってはおススメできます。

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